SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)|沖縄で心配すること

 3月30日、ブログサイト「路地裏のランナー」に「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)について|現状と対策、推測メモ」を書いた。その内容と重複してしまう部分もあるかもしれないが、今回は沖縄で感じていること、出来るであろうことを書き残しておきたい。

 3月11日の琉球新報の記事に「新型コロナウイルス流行なら沖縄12万人発症 厚労省の算定式で推計 対策講じれば軽減も」というものがあった。
 この記事によれば、『新型コロナウイルス感染症の流行ピークの患者数を推計するため提示した計算式によると、沖縄県内で流行した場合、流行が終息するまでに約12万人が発症し、約2万人が入院、約2千人が重症化するとの数値が導き出される』という。恐ろしい内容だが、この数値を出したのは厚労省である。
 一方、県が季節性インフルエンザよりも少し高い感染力を想定して算出した数値では、最も多い日で外来患者4685人、入院患者2149人、重症患者は73人となっている。しかし県内全体の急性期病床は現在6292床で、稼働率は約90%のため、空いているのは600床ほどだという。この時点で全く足りていない。
 この記事が書かれたころから、東京や大阪で爆発的に感染者が増えた。「五輪の延期が発表された途端に感染者数が増えた」ことに疑念を抱く人も多いようだが、恐らくそれはない。横浜市立大学の佐藤教授は、3月9日までと3月10日以降と比較すると10倍の感染率で感染連鎖が起きているとし、『これまで日本国内で主として確認されていたウイルスと異なる亜種(欧州亜種)の2次感染、3次感染が発生していると考えるべき』だとしている。
 さて琉球新報の記事は3月11日であるから、厚生省や沖縄県が出した予測は、10倍の感染率が顕著になる前に算出されたものである。亜種のコロナウイルスの感染力は、沖縄県が算出の基にした「インフルエンザよりも少し高い感染力」どころではないのは明白である。だとすれば、600床などあっという間に塞がってしまう。

 今、国の取る対策が地方自治体のすべてをカバーできている状態とは言えない。だとすれば、各自治体、出来るだけのことは自分たちでやっておくべきだと考える。
 沖縄県の場合、病床が少ないのは明白である。感染し肺炎を発症した人の手記を見ると、インフルエンザどころの苦しみではないことが伺える。それでも呼吸器疾患の場合は「軽症」扱いである。「軽症」だから自宅で療養、というレベルではなさそうである。いつになるかは分からないが、一般の医療機関でアビガンが処方されるようになったとしても、感染爆発が起きれば、入院が必要な患者は多数出てくるはずである。
 暑い季節になればウイルスの勢いは弱まるのではないかと期待する声もあるけれども、ブルキナファソなど赤道に近い地域でも感染者が増えているし、熱帯のシンガポールでも増えていることを考えると、暑い沖縄の夏でも関係ないと思われる。
 では沖縄で出来ることは何かを私なりに考えてみる。

 先ずは病床の確保である。軽症であっても苦しい状態になりかねないのであるから、小中学校の体育館にベッドを並べるのはかなり厳しいと思う。それは最終手段だとして、やはり清潔な状態を維持出来る場所が良い。
 幸か不幸か、観光客の激減により沖縄の宿泊施設には空室が目立つ。そこで、宿泊施設に自治体から(例えば浦添市から)緊急時に利用することの承諾を得ておく。また、緊急時に備え、一般の宿泊客とは異なる出入口や通路の確保などを事前に検討しておく。そうすれば、宿泊客は下層階から予約を埋め、病床は上層階から順になど、予め区分けが出来るのではないかと考える。
 次に感染拡大への対策である。これはすぐにでも出来ることがいくつかあると思う。最も簡単なのは市町村単位でマスクの使用を繰り返し呼びかけることではないだろうか。『公共交通機関を使う場合、屋内施設に入る際にはマスク、或いはそれに代わるもので鼻と口を覆うこと』という条例を期限付き(延長可)で制定してもいい。拘束力がなくてもいい。少しでも周知されることが重要だろうし、条例まで制定されればメディアにも取り上げられる。
 よく言われているソーシャル・ディスタンスも法に関係なくすぐにできることである。これも条例を作ってしまっても良いと思う。例えば浦添市が『市内の公共施設、公共交通機関、店舗等では可能な限り人との間隔を1.5m以上保つこと』としたらどうだろう。理髪店などでは難しいだろうが、やらないよりはずっとマシだと思う。

 今回の疫病対策としてだけではなく、未来の災害に備えることも含めて、各自治体で出来ることは最大限実施するべきだと思う。沖縄の病床も限られているし、県内で可能な検査数にも限りがある。全国的な危機に陥れば、遠隔地であるがゆえに、十分な物資が沖縄に届かないこともあるだろう。時間はそう残されていない。今すぐ、何が出来るか考察し実施するべきではないだろうか。

  最期に、当然のことではあるけれども、沖縄県だけでなくどの地域も最悪の事態にならないことを祈っています(東京などは既に最悪の事態なのかもしれませんが…)。国籍、民族、人種を問わず、個人でも自治体レベルでも互いに助け合い、一人でも多くの方が無事にこの困難を乗り越えられますように。