以下に掲載するのは、2004年8月13日、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した事故の翌月、9月1日に沖縄タイムスに掲載された短文である。
米国で同時多発テロが起き、自衛隊のイラク派遣が問題となった国会で「日本国内も例外ではない」という声があったと記憶している。起こるかどうか解らないテロで、憲法を軽視してまで派遣したのである。そして起こってしまった、8月13日の米軍ヘリ墜落事故。事故というが被害を受ける側にはテロと大差はない。これは米軍による公然たるテロリズムである。
起きてしまったにも拘らずその対応は9.11とは異なる。日本政府も加害者であるからだ。今、安保条約を見直さなければ、最悪の事態は間違いなく起こるであろう。国内でのテロよりも確立は高い。
私を含め、県民感情は「怒」と「恨」に支配されている。だがこれらを超えたところに真の理性はあるのではないだろうか。9.11と8.13とで全く対応が違う政府を、今、変えねばならないのである。我々の感情もまた、急がねばならないところにある。2004年9月1日「沖縄タイムス」より
当時私は「公然たるテロリズム」と使った。この「公然たるテロリズム」とは、黒人意識運動の指導者スティーブ・ビコが使った言葉である。
米軍による事故は、国家によるテロリズムだと私には思えた。これが自動車の交通事故ならば、故意であろうが過失であろうが、加害者は罰せられるが、米軍機による事故はそうではなかった。当時の様子はまた別の記事にまとめるけれども、今思い出してみても、あれは紛れもなく「公然たるテロリズム」であったと思う。