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存在の誇り

流れの中に  思考を見出せず
闇夜の輝きに  眩しさを捉えられず
顔つきまでは憶えていないが
私は光に背を向けて  走り出した
己を封印した人々を横目に
顔つきまでは
憶えていないが

  重油に浸けられた  一篇の詩
  刃を突き立てられた  一枚の絵画
  足音にかき消された  一音節
  灰色黒色の壁に吸い込まれた
  一筋の血液

少年の頃
森や畦道川沿いを
毎夕走り続けた
吸い込む空気と
吐き出す息が
私の知るたったひとつの風だった

  闇に有機交流電灯明滅する夜
  一篇の詩が
  私を選択した
  滅びゆくものは美しく
  滅びたものは無残だが
  世にひとつとして
  滅びたくて滅びるものはない

脳裏の明滅を鼓動とし
たったひとつの風に吹かれて
私は今
ここに在る